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■2008年 受賞作品・入選者一覧
最優秀賞
針生 承一
(株)針生承一建築研究所 代表取締役
作品名:Floor Stand
作品コンセプト:
フロアスタンドを新たに見直し、LEDという新しい光源を組み合わせた、細いシャープな形態を提案します。
幅30mm、奥行き36mm、高さ1200mmの細い柱に、L=800の可動アームを仕込み、270°の範囲で回転できるというシンプルなものです。
アーム通常時には壁面を照らしたり、90°回転することで天井を照らすなどアンビエント照明となります。また可動アームを270°回転することでデスクライトなどタスク照明となります。
この可動する線型のフロアスタンドが、生活の多様なシーンに対応し、癒しの空間を作る新しい「あかり」となります。
優秀賞
安田 博道
環境デザイン・アトリエ
作品名:虚光
Sho-ku〈 触 〉
作品コンセプト:
光そのものは見る事が出来ない。
光はそれを受ける[受光面]があって初めて認識できる。
この照明器具は、LED(光源)+アクリル(媒介)+フロスト加工面(受光面)から出来ている。LEDから放出された光は、アクリルを通ってフロスト処理された曲面に到達する。真の光源(LED)から虚の光源(フロスト加工面)に転移した光は、柔らかく発光する。
LEDを使っているから省エネルギーである。
真の光源が隠れるから眼に優しい。
虚光だから触れても熱くない。
つまり環境に配慮した住宅用照明器具である。
優秀賞
河辺 近
ken−ken inc.,
作品名:かんそでほうじょうなあかり
簡素で豊穣なあかり
作品コンセプト:
〜自由に動くあかり。あかりはトーチ、松明として原始へ戻る〜
人はいつからあかりを手に入れたのだろう。原始の頃・・・わずかなあかり。
そして今、私たちは夜を昼にすることもできる。
まるで闇を追い払うように照らすあかり。
私たちはあかりを持ちすぎた。闇を遠ざけすぎた。
これからは必要なあかりだけ持つ。
このあかりは持ち運び可能である。廊下では壁に立ててあるトーチ状のあかりを手に持ち移動する。
それは暗闇へ松明を持って進む探検のよう。このトーチにより廊下などのスィッチ及び照明が不要になる。
このトーチは壁に差し込んだり、貼り付けたり、スタンドに立てたりと居室空間の照明器具にもなり、私達をやわらかく包み込む。
アルベール・アビュト
(ピエール・アレックス / 井口 武志)
アトランティスアソシエイツ株式会社
作品名:「99」
作品コンセプト:
『99』は最大で99分間灯る照明です。
『99』は、和室等で良く見かける事の出来る、垂れ下がったヒモを引っ張り、全光→減光→常夜灯→消 と切り替わる天井照明を模してデザインしている。
日本人に古くから親しみのあるこのシステムに新たな表現を付け加えたのが『99』である。
垂れ下がったヒモを10cm引っ張ると10分間、20cm引っ張ると20分間照明が灯る。つまり、引っ張る長さで点灯時間を自分で調整する事が出来る。
『99』は引っ張った時間から、残分を表示しながらカウントダウンを始める。
分数の表示にはLEDを使う。元来、LEDは情報を表示する手段として多用されているが、『99』は数字をディスプレイすると共に空間を照らす。
照明は26個のLEDで構成されていて、最大で2つの数字を同時に点灯する。よって、この照明の最大点灯時間は99分であり、ヒモは最大で99cm引っ張ることができる。
最大が99分の設定となることから、ユーザーは面倒臭さを感じるであろうが、このシステムは消し忘れ防止になると共に、移り変わる数字は照明に時間という要素を付加する。
『99』は感覚的に時間と明かりを同時に体験することができるので、使用することにより環境を肌で感じる事を可能とする照明である。
寺岡 豊博
CODE INC.代表
中央工学校建築学科兼任講師
作品名:風提灯
作品コンセプト:
この燈具は風鈴のように風に揺れる。なので閉じられた部屋の中では役割を果たさない。エアコンを切り、窓を大きく開け放って風を誘い、揺れるあかりを楽しむためのものだ。

あかりには蝋燭の炎のようなイメージを求めた。炎とは常に揺らぎ、また伸縮もする。こうした不安定で自由な動きに私達は魅入られるのかも知れない。
 提案するものは半透明の固定筒の内側から少し径の小さな自由筒を柔らかいコイルスプリングで吊るしただけの単純な構成である。振り子のような水平の動きに加えて縦方向にも揺れる。 
 かつて居住空間のあかりとは小さな炎であった。機能一辺倒だった工業化社会を経た現在にあっては好まれる光環境も多様化してきた。一年のうちほんの数日でも揺れる提灯のみにあかりを委ねる暗く静かな夜があっても良いと思った。

眞野 サトル
ARCHIXXX眞野サトル建築デザイン室
作品名:HIKARI-DO
作品コンセプト:
光は天より注ぎ、熱は大地よりわき起こる。
このあかりには壁はない。有史より今も変わらぬあかりの不可欠要素「光」とその副産物である「熱」を開放させる装置としてこの照明を考えた。壁を建具とすることで有機性を与えそれを体現するために木製とした。引戸としたのは建具をスライドする事によりフレキシブルに光量を調整するためである。絞れば垂直に、開放すれば広角に光と熱は解き放たれる。
石垣 充
秋田公立美術工芸短期大学助教授
作品名:ニコイチ
作品コンセプト:
この照明器具はスイッチパネルとソーラーパネルという2枚のパネルで発光部をサンドイッチした単純な構成となっている。
スイッチパネルは誰もが使い慣れた形態であり外観上の新規性はさほど無いが、照明器具としてスイッチパネルを「持ち歩く」という新しい使い「カタ」は住宅という空間に新しい生活様式をもたらす。またソーラーパネルによる充電やLEDの使用等、環境面への配慮もデザインされている。
商品展開として、2枚のパネルの組合せを変えることで、同形状ではあるが様々な用途に対応した器具の開発も可能である。
霜鳥 聡志
霜鳥聡志建築設計事務所
作品名:布筒照明
作品コンセプト:
ある住宅につくった「布筒照明」です。布筒は光環境を可視化させ、様々に映ろいます。
昼間は太陽光を受け刻々と布筒の表情を変え、室内をより明るくします。夜は床下からアクリル越しに蛍光灯で照らすことにより、行灯のようにやさしく光ります。
半透明の布を様々な光が照らすことにより布の向こう側の見え方が変わり、また布筒が重なる位置では布の重なる枚数により、向こう側が見えなくなります。
この住宅は間仕切りのない平面なので、4つの布筒照明は間仕切りの役割もします。
住宅の光環境をよりよくする為に、太陽光と蛍光灯の両方を利用することができる照明器具として考えました。