Pro's way

住宅照明のヒミツ

07

2017.05

吹抜けキャンディーズ

富和 聖代

Interview

Masayo Tomiwa
大阪TACT 高木チーム

今年もLIFEカタログが発刊されました。
どんなカタログか、簡単にご紹介ください。

LIFEカタログは、大光電機が毎年春に発刊している住宅用照明器具の総合カタログです。今年はダウンライトからペンダント、アウトドアライト、もちろん吹抜け・傾斜天井用器具まで、新製品359点を含む3,138点の照明器具を掲載しています。

でも、LIFEカタログの特徴は、掲載商品が多いだけではないんです。巻頭に毎年工夫を凝らした特集ページを企画して、私たちTACTの最新ノウハウをご紹介しています。今年度は、第一特集として、睡眠コンサルタントの友野なおさんとTACT家元あきが、「照明は空間のサプリメント」と題して、時間軸で理想の光をご紹介しています。他にも、造園家の荻野寿也さんと花井架津彦、インテリアコーディネーターの三宮佳美さんと古川愛子の対談も掲載していますので、ぜひ見ていただければと思います。

今回、富和さんが担当されたページがあるそうですが、
具体的にどのように制作されたのでしょう?

私が担当したのは、毎年展開している「LIGHTING IDEA」というページで、TACTのノウハウを事例でご紹介するページなのですが、今年は吹抜け空間用の新製品と活用ノウハウをご紹介しています。
このページができるまでのプロセスをご説明しますね。

①新製品開発

昨年のLIFEカタログ発刊後すぐから、今年用の新製品の企画が始まります。製品開発は大光電機では主にPLCT(プラクト)という部署が担当していますが、私たちTACTも現場を知っている照明デザイナーならではのアイデアで、製品開発に関わっています。私たちがプランする時に、「こんな器具があればいいのに」とか「この器具がこうなればもっと使いやすいのに」「こんな光がほしいなぁ」など、思ったことをそのまま製品に生かしているんです。自分だけでなく、いっしょにお仕事している設計士さんやコーディネーターさんからも要望を聞いて、そこから発想することもあります。今回の新製品は昨夏前くらいにアイデアを出して、社内会議や社長プレゼンを経て秋頃から具現化を開始。PLCTの設計者に入ってもらって、製品化まで漕ぎ着けました。

社内会議に提出した新製品の提案シート。考えるのは楽しいけれど、まとめるのは苦手です。(笑)

②コンテンツ企画

製品がカタチになったら、次にカタログ作りです。
デザイナーの想いが詰まった製品は、写真とスペックだけではその良さが伝わりません。なので、製品特徴や実際の空間での活用法、設置する場合の注意ポイントなどのアイデアを自分なりにまとめて、カタログ制作チームに相談します。

③撮影セットの設計

企画が決まれば、次に空間の写真撮影が行われます。製品の特徴を説明しやすいよう空間や内装を考え、設計士さんに相談。実際の住宅とした時に辻褄が合わない箇所がないよう確認してもらいます。プランが決まったら、その空間を実際に撮影スタジオに建ててもらいます。この撮影用の建物は、1部屋の場合もありますし、連続空間が必要ならLDK~廊下~玄関など、普通の家1軒を丸々建ててもらうこともあります。今回は吹抜け用の器具があったので、吹抜けからの連続空間を建ててもらいました。撮影用のため、あらかじめ撮影するアングルを決めてカメラを据える側の壁を抜いておくなど、普通の家の建築とは違うんですけどね。カタログを見た方に、「いいなぁ」「こんな風にしたいなぁ」と思って見ていただけるよう、設計士さんと理想の空間をつくりあげていく作業はタイヘンですが、楽しい時間でもあります。

④撮影

実際に建物が完成したら、器具の取り付けをし、照度などをチェックして撮影。もちろん私も立ち会って、1カットずつチェックします。空間のよさはもちろん、器具の特徴がしっかり表現できているか、手元の明るさが見てとれるか、など様々な角度からのチェックが必要です。説明に必要だと思えば、部分のアップや別アングルの撮影、またあえて失敗例も撮影してもらうことがあります。

撮影現場では、机上照度を測って検証します。

デジタル撮影のため、その場でモニター確認できて便利です。

⑤誌面制作

撮影と同時進行で、説明コピーを書いていきます。材料が揃ったらデザイナーさんに渡して、誌面デザインをしてもらってカンプをチェック。何度かやりとりをした後、印刷工程へと進みます。

長々と説明しましたが、とにかく時間も手間もかけて、一生懸命作っているのだということを知っていただければうれしいです。

カタログを見てくださる皆様へ、メッセージをお願いします。

カタログは、社内の関係部署はもちろん、設計や建築、写真、デザイン、印刷などの専門家の力を借りて作り上げたものですが、掲載しているノウハウは私たちのオリジナルです。当社は社員総出で作り上げる展示会がご好評いただいていますが、カタログも私たちが1から制作に当たっています。これぞ大光らしさではないでしょうか。

今回、私が開発した製品を設計士さんやICさんにぜひ活用していただきたい、という強い想いで作業に当たりましたが、本音を言うと、私自身のノウハウの検証の場でもあったと思います。(笑) 正直、やってみないとわからないことって、ありますよね?プランを担当させていただく実邸では、テストや検証はできないですから、カタログ制作の現場は、年に1度の大がかりな検証の場でもあるのです。もちろん失敗は許されないですが、実邸ではないので日頃できないようなチャレンジもできる。内心ドキドキして制作しているからこそ、出来上がった時は、大きな自信になります。

まずは、カタログをぜひご覧になってください。今すぐ見ていただけるデジタルカタログもご用意していますので、私のプランをすぐにマネしていただけますよ。

そして、大光のもう1つの特徴であるセミナーですが、今年も全国での開催を予定しています。昨年私は46回のセミナーを開催させていただきました。高木チーム全体では188回ものセミナーを実施しています。今年も皆さまにご参加いただくのを楽しみにしていますので、ぜひセミナーでお会いしましょう。カタログの感想や、新製品の感想を直接お聞かせくださいね。また、すぐに来年の企画もスタートしますから、日頃お困りのことがあれば、ご意見を聞かせてください。あなたのお声、現場のお声をすぐに具現化する、そんな大光にご期待いただければと思います。

カタログはこちらでご覧いただけます。